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相続トラブルを防ぐには?遺産分割協議書の作り方と注意点を解説

相続の話し合いは、悲しみが少し落ち着いたころに始まります。
思い出の詰まった家や、毎月の年金が入っていた通帳、ほとんど触れてこなかった証券口座。
家族の誰もが大切に思っているのに、言葉にすると温度差が生まれます。

そんな時、決めた内容を一つの形にまとめておくことが、後の行き違いを防ぐ近道になります。
その役割を担うのが遺産分割協議書なのです。

本記事では、その遺産分割協議書について、細かく解説していきます。

遺産分割協議書とは何か

遺産分割協議書は、相続人全員の合意を一枚の書面に落とし込んだものです。
法律で絶対に作成を義務付けているわけではありませんが、銀行の口座払戻しや不動産の名義変更など、多くの場面で提示を求められます。

もし合意を口頭にとどめてしまうと、時間が経つにつれて解釈がずれ、手続きが止まることがあります。
しかし、書面化しておけば、「誰が」「何を」「どのように」承継するのかが明確になり、後からの確認が容易です。
そのため、遺産分割協議書の作成が求められるというわけです。

相続人は配偶者が常に含まれます。
配偶者以外は第一順位が子、次に直系尊属、最後に兄弟姉妹の順です。戸籍で客観的に確定することが、協議書作成の前提になります。
法定相続分は目安であり、話し合いで自由に決められます。

作成前の準備

作成に先立って、まず相続人を確定します。
被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍を集め、配偶者・子・直系尊属・兄弟姉妹の順で法律上の相続人を洗い出します。
認知や養子縁組の有無、前婚の子の存在も見落とせません。

次に財産の全体像を把握します。
預貯金の残高証明、証券会社の残高、生命保険の受取人、不動産の評価と登記事項、車両や貴金属の所在、そして借入金や未払税金など負債の確認まで、一覧化しておくと議論が整います。
遠方や海外在住の相続人、未成年者がいる場合は、印鑑証明や署名証明、特別代理人の選任など、追加の段取りを早めに準備します。

基本の書き方

書き方の基本はシンプルです。
まず、冒頭に被相続人の氏名、本籍、死亡日を記し、相続人全員の氏名・住所を列挙します。

続いて、分け方の内容を具体的に記載します。
不動産は登記事項証明書の記載どおりに所在・地番・家屋番号・地目又は種類と構造・床面積を正確に写し、預貯金は金融機関名・支店名・口座番号を特定します。

文章は平易に、曖昧な表現を避けたほうが良いです。
末尾に作成年月日を置き、全員が自署し実印で押印します。

通数は相続人の人数分に、提出先の必要部数を加えて作成し、ページ間には割印を施して一体性を確保します。
金融機関や法務局では本人確認のため印鑑証明書の提出を求めるのが通例で、原本還付の可否は先方の運用に従いましょう。
文案は「包括的な表現」よりも具体的かつ一義的な記載を心がけます。

相続で不動産を取得したときは、相続による所有権取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があります。
正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。
期限に追われる前に、協議書を整えておくと後工程が円滑になります。

つまずく点

実際の現場では、未成年者が相続人に含まれる場合、親権者が同時に相続人であると利益が衝突します。
家庭裁判所で特別代理人の選任を受けてから協議に参加させるのが安全です。

もし行方不明者がいるときは不在者財産管理人の選任、海外在住者がいるときは在外公館の署名証明を備えるなど、状況に応じた手続を先に行うとよいでしょう。

いずれも数週間から数か月を要するため、早めの段取りが重要です。
また、法定相続分を大きく下回る分け方をすると、一定の相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
感情的な公平だけでなく、法律上の均衡にも目を配ることが、争いを未然に防ぐことにつながります。

配偶者や子など一定の相続人には、最低限の取り分である遺留分が保障されています。
著しく偏った分け方はのちの紛争の火種になります。
協議段階で過度な不均衡を避ける設計を意識しましょう。

不動産・預貯金等での運用ポイントと手続きの流れ

不動産を承継する人が決まったら、相続登記の準備に移ります。
相続による所有権の取得を知った日から3年以内の申請が義務化されており、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。
期限内に本申請が難しい場合には、先に相続人申告登記で義務違反を避ける選択肢もありますが、売却や担保設定など実務を進めるには本来の相続登記が不可欠です。

預貯金については、各金融機関の相続手続センターに連絡し、協議書・戸籍類・相続関係説明図などの提出を案内に沿って行います。
口座は死亡の事実が判明すると凍結されますが、必要書類が整えば払戻しや名義変更は進みます。

よくある誤りと回避法

よくある誤りは3つに集約されます。

1つめは相続人の漏れです。
戸籍調査を不十分にしたまま協議を済ませると、後で新たな相続人が判明し協議が無効になってしまいます。

2つめは財産の特定不足です。
例えば「自宅を長男が承継する」とだけ記すと、登記で止まってしまいます。
所在や地番まで具体化しておけば、訂正や作り直しを避けることができます。

3つめは体裁の不備です。
訂正だらけの書面、朱書きの多用、押印の不整合は信用性を損ね、窓口で差し戻しの原因になります。
清書して整った紙面に仕上げることも非常に大事な要素といえます。

協議書作成を円滑に進めるポイント

導入の段階では、財産の価値だけでなく、形見分けや仏壇、墓所の承継といった心の問題も同じテーブルに上ります。
金額に換算しにくい事柄こそ、言葉を尽くして合意を文字にすることに意味があります。
合意の過程をしっかりと記録しておくと、後で思い出が争点にすり替わることを防げます。

協議書に添える資料も、先々を見据えて整えましょう。
相続関係説明図を付けると審査が速く進みます。
また、財産目録は網羅的に作成するとよいでしょう。
さらに、後日判明した財産の扱いを一文で定めておくと、混乱を避けることができます。

印鑑や署名では、小さな配慮がポイントになります。
署名は楷書で読みやすく、押印は朱肉で鮮明に行いましょう。
ゴム印や認印の使用は避け、実印の登録状況を事前に確認しておきましょう。

海外在住の相続人は、現地公証や在外公館の署名証明に日数がかかることが多いため、余裕をもった郵送計画が必要です。
ページをまたぐ場合は製本テープ等の上から割印を施し、改ざん防止の工夫も忘れないようにしましょう。

まとまらないときの選択肢

話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所の調停という選択肢があります。
第三者である調停委員が中立の立場で意見を整理し、落としどころを探ります。
調停で合意に至れば調停調書が作成され、判決と同様の効力を持つため、高い安定性が得られます。

早い段階で専門家に相談し、裁判所を使う前提と使わない前提の双方のスケジュールを描いておくと、感情の負担が軽くなるのでオススメです。

専門家に依頼するメリット

専門家に依頼するメリットは、工程全体を俯瞰できる点にあります。
戸籍収集、財産目録の作成、協議書の条項設計、清書、金融機関や法務局に合わせた添付資料の整備、家庭裁判所や在外公館の手続の前倒しまで、必要なタスクを同時並行で進めることが可能です。
結果として、必要な書面が早く整い、期限を踏まえたスケジュール管理が可能になります。

また、書式の細かな違いにも即応できるため、補正や差し戻しのリスクを抑えられます。
専門家の関与により合意形成のスピード法的安定性の両立が期待できるのが最大のメリットといえます。

まとめ

遺産分割協議書についてお分かりいただけましたでしょうか。

遺産分割協議書は、家族の合意を守り、相続の各手続を前に進めるための要となる書面です。
誰が相続人か、財産は何か、どう分けるかなどを落ち着いて確認し、期限を意識して早めに形にすることが大切です。


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