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SNSの無断掲載トラブルはこう動く!内容証明で主張を通すための書き方

ご自身やご家族の写真、ご自宅の外観などがSNSに許可なく載せられると、誰にも相談できないまま不安が消えないことがあります。
そのまま放置すると拡散や二次利用が進み、取り返しのつかない事態に発展するおそれもあります。
そのような事態に巻き込まれてしまった場合は、気付いた時点で適切な手順を踏むことが安心へつながります。

この記事では、無断掲載に気付いたときに知っておきたい権利の考え方から、証拠の残し方、内容証明で主張を伝える方法までを整理し、落ち着いて行動に移せるようご案内します。

まずは現状の整理から

多数の見知らぬ人の目に触れるSNSという場で、私生活の情報や顔が露出している状態は、安心できる生活空間が侵されているという実感をもたらします。
まずは何が掲載され、誰のどの情報が含まれ、いつ公開されたのかを言葉にして整理する必要があります。
この段階で迷いを減らすことが、具体的な対処の第一歩になります。

どこからが権利侵害になるのか

プライバシー権

自宅の場所や家族の姿など、私生活に属する情報が無断で公にされると、私生活の平穏が害されます。
プライバシー権は成文法に直接の定めはないものの、判例は人格的利益としてこれを認めています。
社会通念上の受忍限度を超えれば違法と評価されることがあります。

肖像権

本人と認識できる画像を無断で撮影されない利益は、人格的利益として司法上明確に位置づけられています。
写真や動画の公表についても、状況次第では人格的利益を不当に害する行為と判断され得ます。
違法性は社会通念に照らした受忍限度の枠組みで見られます。
未成年の姿や居住場所の特定など、危険や負担が大きい事情が重なるほど違法性の評価は強まります。

写真は原則として撮影者が著作権者です。
無断転載や無断公衆送信は、複製権や公衆送信権の侵害となり得ます。
損害賠償の場面では、不法行為に基づく賠償請求に加え、使用料相当額の算定が問題になります。
許諾を与えた場合でも、その範囲を超える利用は契約違反や権利侵害に発展します。

最初に整えるのは証拠と時系列

掲載の事実を確実に示すため、投稿のURL、アカウントの識別情報、投稿日時、掲載内容を記録します。
画面の保存は時刻が分かるかたちで行い、可能であれば電子的な時刻証明を用いて証拠性を補強します。

同一内容を第三者が同時に保全しておくと、後日の争いで心強い裏付けになります。
鍵アカウントにされるなど公開範囲が変わる前に、関連する画面を落ち着いて押さえておきましょう。

内容証明の効き目と限界

内容証明郵便は、誰から誰へいつどのような文面を差し出したかを、郵便局が証明する制度です。

文書の写しは一定期間保管され、交渉の基盤として有効です。
他方で、相手に実行を強制する力までは伴いません。
強制は裁判手続や仮処分など別の制度で図ることになります。
だからこそ、事実関係を明確に示し、冷静な語り口で要求を特定することが重要です。

文面の設計図

文書の内容は、相手に伝わりやすいように順序をそろえることが大切です。

まずは起きた事実を短く整理し、そのうえで法律的にどう問題があるのかを伝えます。
その上で求める対応をはっきり示し、あわせて回答の期限を書きます。
また、期限を過ぎたときにどう動くかも触れておくと効果的です。
期限の日数は決まりがあるわけではありませんが、7日ほどを一つの目安にし、相手の状況や距離、業務の都合を考えて調整するとよいでしょう。

連絡の取り方は一つに絞らず、手紙やメールなどいくつか書いておくと安心です。
届いたかどうか、相手が見たかどうかを確かめられる方法を選んでおくと、後のやり取りがスムーズになります。

文面サンプル

令和〇年〇月〇日
通知人 氏名 住所
被通知人 氏名または投稿に用いた識別名 住所は判明する範囲で記載
貴殿が令和〇年〇月〇日に特定のSNSに掲載した私および家族に関する画像と文面は、私のプライバシー権と肖像権を不当に侵害しています。
該当する投稿のURLと掲載日時は下記のとおりです。
直ちに当該投稿を削除し、同種行為の再発を防止する措置を講じてください。
到達の日から7日以内に書面で回答をお寄せください。
期限内に実効的な対応がない場合、削除申立、発信者情報の開示の申立、損害賠償請求を含む法的手段の検討に進みます。
連絡は記載の住所または電子メール宛てにお願いします。

送った後の動き方と避けたい行為

相手から誠実な対応が得られないときは、運営事業者の定める手続に従い削除の申立を行い、必要に応じて発信者情報の開示を求めます。
任意交渉での解決が難しいと判断した段階で、仮処分や訴訟など次の手段に切り替えます。

憤りをそのまま投稿にぶつけると、不要な対立や別の法的問題を招きかねません。
常に事実に即した冷静な記載を心がけます。

専門家に任せる価値

権利侵害の評価は、文脈や危険可能性など細部に大きく左右されます。
専門家は証拠の整え方や請求の立て付けを誤りなく設計し、実効性のある要求と次の選択肢を視野に入れて交渉を進めます。
専門家名義の文書は、相手に緊張感を与えつつ、運営事業者にも的確な判断材料を提示します。
初動での設計を正しく行えば、後続の手続が軽くなります。

まとめ

無断掲載は小さな出来事に見えて、生活と心の安全に直結する一大事です。
証拠と時系列を整え、内容証明で意思と根拠を明らかにすることが、次の一歩を着実にします。
自力の対応に不安があれば、早い段階で専門家に相談してください。
安心できる日常を取り戻すために、今日から動き出しましょう。


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※ 本記事は一般的情報の提供を目的とするもので、個別案件の結果を保証するものではありません。
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